人気脱毛サロン「恋肌」が怪しい料金表示などで役所(消費者庁)から措置命令

脱毛サロン「恋肌」が怪しい料金表示で措置命令。

 

九州朝日放送美容脱毛にかかる金額などについて、不適切な内容をウェブサイトに表示したとして、福岡市の美容会社に改善を求める措置命令が出されました。公正取引委員会と消費者庁によりますと、福岡市のセブンエー美容など3社は、おととし3月から去年2月上旬までの間、運営する「恋肌」と「キレミカ」のウェブサイトに「全身脱毛が最短3カ月で完了」、「月額1409円」などと表示。最も安いコースで実際は総額6万4千円以上かかるにもかかわらず、4千円あまりで脱毛が完了すると消費者に誤認させるような表示をしていたとされています。このため、景品表示法に違反するとして、消費者庁は、3日、3社に適切な表示に改善することなどを命じました。消費者庁には、2019年から3年間、苦情や相談がおよそ300件寄せられていたということです。3社は、「今回の措置命令を真摯に受け止めます。今後の対応を検討して参ります」とコメントしています。

 

リンク先が消えたので消費者庁のページを

消費者庁、公正取引委員会の発表

 

ニュースの動画

 

 

要は料金や効果を誤解させて客を呼び寄せる商法をしていたってこと。

 

 

六條かげり

 

六條です。

 

恋肌の怪しい価格・回数表示はオープン当初からずっと苦々しく思ってはいたのだけど、名指しで批判すると問題が起こりがちなので今まで取り上げていませんでした。

 

同じような悪質表示をするサロンはいくつもあるし。
ただ、恋肌は医療脱毛も手がけて同様の宣伝をやっているのでいくぶん悪質だと思っていました。

 

今までも遠回しに特徴とか言って注意するようにしていたのだけど、具体名がないとちょっと分かりにくいよね。
だけど今回役所介入で問題が明るみになったので、このタイミングで具体的なお話をしたいと思います。

 

これを機会に脱毛サロン(医療脱毛も)の悪質表示に騙されちゃう人が減るといいなーって思います。

 

実際問題、こういう悪質宣伝をされると、頑張って調べて比較検討する人ほど、より悪質なところに引っかかってしまうことになります。

【落とし穴】初心者が比較検討して「条件いい」ところを探すと必ず騙される

六條かげり

 

理不尽な話ではあるのだけど2022年現在、各サロンの方法を集めて、「少しでもいい所を」と、比較して頑張れば頑張るほど、より悪質なところに引っかかる仕組みになっています。

 

だって2022年現在、脱毛サロンやクリニックの広告や公式サイトは嘘ばっかりだから。

 

そんな馬鹿な、大手がそんなことするはずがないって思うかもだけど、この傾向はこの数年どんどん加速していました。

 

※美容サロン、クリニックの悪質合戦と役所指導はいたちごっこ
六條かげり
エステサロンや美容医療のクリニックは数年に1回くらいのペースで役所が入ります。
理由は毎回似た感じ。
悪質広告、契約を守らない、強引な勧誘、嘘を言って契約させるなどの通報が増えるためです。
今回は指導で済んだけど、2017年には大手脱毛サロン「エターナルラビリンス」が業務停止でそのまま倒産しました。

 

参照:エタラビ倒産に思う事。悪徳脱毛サロンの業務停止。(別ページでまとめました)

 

悪質営業で役所が入るとしばらくは各社大人しくしているのだけど、少しずつ少しずつ各社紛らわしい攻めた広告を出すようになって、競争が加速して、実際の対応も不誠実になってきます。
美容関連はこの歴史を何度も何度も繰り返してきています。

 

 

脱毛サロンの広告は特に嘘ばっかり。

まず前提だけど、脱毛サロンの広告は嘘ばっかり。
(医療脱毛も嘘が多い)

 

今回の例

「全身脱毛が最短3カ月で完了」
「月額1409円」

 

詳しい人ならば引っかからないけど、これを見て「3ヶ月通えば毛が生えなくなる」って解釈するひとは少なくないはず。
そこに加えて「月額1409円」ってあるので、「4000円ちょっとで脱毛完了ならば悪くない」って思うのもごくごく自然なことで、「消費者が一方的に誤解した」とはとても言えないでしょう。

 

もちろん、いずれも不可能です。
(下のほうで詳しく解説するね!)

 

効果、支払い総額で嘘、意図的に誤解させる表現を用いるサロンがとても多いです。
一部のサロンが、ではなくて、誤解させるサロンの方が多いです。

 

調子のいいこと言う広告は強く疑った方がいいです。
脱毛はその原理上、突出して高い効果を出すことは不可能です。

 

とはいえ、脱毛を検討し始めたひとにとって、それが嘘なのか、本当なのか、見分けるのがとても難しいと思います。
なのでここからは、どれが本当でどれが嘘か、見分けるための初歩的なお話をしていきますね。

これで騙されにくくなる。嘘を見抜いて高額浪費を防ごう!

脱毛選びで意識して欲しいものは3つ。

 

脱毛選びで意識する

六條かげり
1.突出して効果高い脱毛は存在しない
2.不自然に安い料金は嘘だと思っていい
3.その数字は何の数字?

 

ひとつずつお話しますね。

 

1.突出して効果高い脱毛は存在しない

他に比べて突出して効果高い脱毛は存在しません。
(逆に効果低いものはいっぱいある。嘘をいう所は効果も怪しいよね。)

 

脱毛サロンでも医療脱毛でも、脱毛の原理自体はすごく単純。

 

脱毛の仕組み

・毛を剃る
・毛穴に残った毛根に光を当る
・光を吸収した毛根が高熱を出す
・熱で毛根周辺の組織に大ダメージを与える

 

こんな感じ。
(針脱毛は少し違うけど、超高額なので最初に針脱毛を検討する必要はない。)

 

仕組み自体が力業なので、なにか科学的な工夫を凝らして今までより効果を高めるというのは不可能に近いです。

 

にもかかわらず、毎年毎年次々とやたら効果が高い(短期間、少ない回数で完了する)脱毛が次々登場しています。
そういう新しいのは全部嘘だと思ってみておいた方がいいってこと。

 

※標準的な効果に関しては別ページでお話しています!
六條かげり
⇒ 脱毛効果の正しい経過と通い終わるまでの注意点をすべて網羅します。

 

効果の目安はwebサイト等によってバラツキはあるけど、でも大体は似た感じ。
これを大幅に超えて効果高く宣伝している(短期間、少ない回数で終わる)ところはどこかおかしいと思った方がいいです。

 

 

2.不自然に安い料金は嘘だと思っていい

※例外:「ミュゼプラチナムのお試し脱毛」など
もちろん、激安脱毛には例外もあります。
たとえばミュゼプラチナムの100円脱毛とかは、とにかくお客さんを集めるためで嘘ではありません。
サービスをよくしていて、継続して高いコースを申し込む人が増えるのを狙っている感じ。
基本はお試し。
ミュゼの無制限ほどすごいのは無いけど、あとは1回とか3回くらいまでお試し出来るサロンはあります。ジェイエステとか。エピレとか。

 

お試し脱毛で安いものはあるけど、全身脱毛が完了してしまうコースで安いのはありえません。
だって全身で完了したらもうお金取れないから。

 

人件費はアルバイトでも時給1000円。
もちろん人を雇えば企業側は他にも出費はあるし、テナント料、機械等のリース料、サロンを維持管理するだけでも毎月いっぱい出費があります。
にも関わらずお客さん1人1人をあれこれお世話して4000円しか支払ってもらえないのであれば、経営が成り立つわけがありません。

 

こういう悪質表示のパターンはもう決まりきっています。
「月額」が何の数字なのか分からない、総額も書かれていないのが特徴。

 

(つづきます)

 

3.その数字は何の数字?

ここまで「嘘」って言い方をしたけど、厳密な言い方をすると嘘というよりは「意図的に誤解をさせる表現」と言った方が正しいかなって思います。

 

恋肌ニュースの例

「全身脱毛が最短3カ月で完了」
「月額1409円」

 

こういう表記の「*ヶ月で完了」というのは、「契約したコースを使い切る期間」だと思って間違いないです。
今回の恋肌に限らず、どの脱毛サロンでも、医療脱毛でも。

 

「3ヶ月で毛が生えなくなる」なんて決してありえません。
たとえ「医療脱毛の超攻めたレーザー照射をするクリニック」だとしても。

 

月額表記もおかしい。
大体のところで「月額」と言えばローンの1ヶ月分の値段。
月謝みたいに「通った月だけ支払う」というわけにはいかないけど、そう思う人が多く、そして一向に表現が修正される気配がありません。

 

そしてローンであるにも関わらず、総額いくらかなのか隠している、見えにくくしているところが多いです。

 

見分け方。月額?月額制?

六條かげり
よ〜くキャンペーンのページを見てみたら、「月額制」ではなくて「月額」って書かれてあるかも。
100%の判別方法ではないけど、この表現で見分けがつきます。
「月額」だけだと単にローンの月額、「月額制」だと使った分(使う分)だけ支払う制度であることが多いです。

 

特に気をつけたいのが月額制全身脱毛プラン。
月額制全身脱毛プランは怪しい商法の温床になっています。

月額制全身脱毛プランは怪しい商法の温床

全身脱毛の月額制で安いものもあります。
だけど超安い月額制全身脱毛は通うに値しない、「見せプラン」の可能性があります。

 

月額制全身脱毛の問題点

六條かげり
・本当はその値段で通えない
・全身と言いながら表示されている値段は体のごく一部の値段
・月額制プランはあれこれ通いにくい条件がついて実質申し込むと損をする

 

もちろんどこのサロンでも、契約までには数字の説明はあるはずだけど、嘘から始まるサロンだと、実際通いだしてからの不誠実も心配だよね。

 

こんな嘘、騙しばっかりでどうして警察につかまったりしないのかって疑問に思うかも知れないけど、そこは各社、言い訳のようなものをしっかり用意しています。

月額制全身脱毛の嘘のからくり

すでに少しお話したけど、「意図的に誤解させる表現」で、各サロン(医療脱毛も)は以下の言い訳を用意しています。

 

よくある言い訳の例

・最短3ヶ月で完了
⇒ 契約したコースを消化する期間
つまり、「完了」とは効果とは全く関係ありません。

 

・月額1409円

ローンの月額
月謝だとは言っていない。

 

(残念ながら、この表示は医療脱毛でもよく見かけるようになりました。)

 

あとすでにお話したけど、本当に月謝みたいに通える脱毛があっても、それは「見せプラン」であることが多くて、あんまり申し込みが喜ばれないです。

 

月額制の「見せプラン」のあるあるイヤなルール

 

・全身を何十ヶ所にも細かく分けて1回1部位ずつ通う(全身一巡だけで数十回通う)
・一度予約を入れたらキャンセル再予約ができない
・少しでも剃り残しがあればシェービング課金もしくは照射無し

 

カウンセリングでは「だったら回数プランの方がいいよね?」って誘導される感じ。

 

※全身脱毛サロンの問題点について詳しくは以前書いたのがあるので、そっちも確認してみてね。
全身脱毛サロンの闇。安い月額制の落とし穴、短期間脱毛完了の嘘、スピード脱毛の罠。

どうして脱毛サロンは嘘ばっかり言うの?

脱毛サロンの嘘は大体こんな感じ。

 

脱毛サロンの嘘

 

・脱毛サロンは嘘を言わないと売れない
・最初が嘘だと他の色んなものも大体嘘
・ただし医療脱毛の宣伝も似たようなもの

 

脱毛サロンが医療脱毛より優れている所はほぼありません。
確かに安いけど、その分効果も出にくいです。

 

よくある情報サイト、インフルエンサーの「サロンでも医療でもどっちでもいい」「向いている方を選べばいい」っていうのもやっぱり嘘に近い。

 

この数年で医療脱毛の値段もかなり下がってきて、コスパで考えてもサロンを選ぶ理由が無くなってきました。
さらに悪いことに、脱毛サロンの効果は10年20年前より下がってきています。

 

※脱毛サロンの効果が下がってきた理由
六條かげり
脱毛サロンの効果が低いのは、そもそも法律で効果が出てはいけないと決まっているから。
効果が高いサロンで火傷トラブルを起こすと倒産のリスクもあって、実際にツブれたところもありました。
※参照:ドクタータカハシ復活。脱毛サロンの倒産。営業停止判決から返金まで。

 

「医療脱毛でも効果出ない人がいるからサロンでも同じ」っていうひとがいるけど、全然同じではありません。

 

効果出る、出ないはその人それぞれの個人差。
なので医療脱毛で効果出にくいひとはサロンでの脱毛効果は絶望的です。

 

こういう事情で、脱毛サロンは正直に宣伝してはなかなか経営が成り立ちません。

 

どうしても嘘をまじえた宣伝になりがち。

 

そして嘘宣伝は業界的にどんどん悪化するようになっています。

 

悪質宣伝の加速

一社が大袈裟、紛らわしい宣伝

客がそこに殺到

他社の売上が落ちてしまう

真面目なサロンも追随して嘘を言うか、ツブれるかの選択に迫られる

 

そうやって各社、他社の宣伝を見ながら少しずつ少しずつ、自社も派手に紛らわしく、最後には嘘を言うまで加速するのが現状。
この流れは何度も繰り返されていて、いつも役所が介入まで各社止めることが出来ないでいます。

 

無理をするので現場のスタッフの労働環境もかなり悪化します。
結果、時間短縮を狙ったり、施術が雑になったりします。
(嘘説明するのだけでもつらいよね)

 

今回恋肌に役所の指導が入ったので、しばらくは落ちつくでしょう。
役所が入ったのは不幸なことではあるけど、でも各社助かった面もあると思います。

 

ただ、今度もまた別の会社から、少しずつ大袈裟、紛らわしい宣伝が始まり、競争が加速して、いずれまたエターナルラビリンスのように倒産するまでやめられない脱毛サロンが登場するでしょう。

まとめ

まとめです。

 

まとめ

六條かげり
・そもそも脱毛サロンの説明は嘘がとても多い
・他に比べて少ない回数で終わる脱毛は存在しない(医療でも)
・月額表示を見たら総額がいくらか確認すべき
・不自然に安い全身プランはおかしい
・脱毛現場で働くひとにもしわ寄せ
・一旦落ち着いたけど、またそのうち嘘を言いだす

 

こんなに嘘ばっかりじゃあ、一体どうしたらいいの?

あれもこれも嘘だと、「じゃあ一体どこに行ったらいいの?」って問題になるよね。

 

わたしも数年前までは「**ならXXXクリニックがいいよ」って言い方をしていたのだけど、2022年現在は医療脱毛でも不誠実運営のクリニックがとても多く、なかなか特定クリニックの名前が言えないようになってきました。

 

このページの内容でもかなり怪しいサロンやクリニックを避けられるとは思うけど、とにかく急いで選び方を知りたい方には別ページを用意してあります。

 

 

超長いページだけど、頑張って全部読んでおいて損はないです。
大手企業、有名サイトなどでは書かれていない本当の話、その中でも絶対に外せないものを入れ込んでいます。

 

後半にクリニック情報を載せてあるけど、そこはまだ一旦待って欲しい。

 

大体のひとはこのリストにあるクリニックを選べばうまくいくと思う。
だけど、やっぱり効果は個人差があって、万一うまく行かなかったときにどうしたらいいか分からなくなります。

 

通いながら、回数(お金)を消費しながら、「これで本当に大丈夫なの?」って思いながら過ごすのはとてもつらいことだと思います。

 

脱毛にかかるお金はほんと高額。
時間かけて深く調べてもらいたいです。

 

そのための解説ページは用意したし、そのうえで分からないことがあればtwitterにて質問を受け付けています。(匿名の質問箱にて)

 

管理人六條のtwitter

https://twitter.com/datumoushon

 

 

最後に、

六條かげり

 

わたしも一度ブログをやめようと思ったことがありました。
理由は今回のような悪質表示。

 

恋肌や、その他医療脱毛にいたるまで、質の悪い表示のところに客が殺到しているのを見て、「情報発信なんてしても意味がないかなー」って。
(最近はtwitterで質問箱などに答えていて、これはこれで役に立てている実感があります♪)

 

こういった不誠実表示で客はもちろんだけど、現場で頑張って働くスタッフだって不幸なことだと思います。
嘘を嘘と知らずに説明するのも不幸なことだし、知って説明するのはよりつらいよね。

 

そしてきっと、経営者自身も不幸だと思います。
すでにお話したけど、こういう悪化の流れって、真面目に商売したいと思っていてもなかなか止めることができないんです。

 

なのでせめてこれを見てくれたひとがヘンなものに引っかからないように、そして、そういうひとが増えて、悪質表示が通用しなくなって、それで現場のスタッフさんも気持ちよく働けるようになればいいなーって、そう思っています。